たんぽぽみたいな雑草オニノゲシ（鬼野芥子）の観察記録：その特質と見分け方

オニノゲシ（鬼野芥子）は、自然界に広がる外来種で、特に人が住む近くの草地などでよく目にする植物です。この植物は、黄色く小さなタンポポを思わせる花を咲かせ、深い鋸歯状の切れ込みがある葉を持ち、触るとその尖ったトゲが痛みを与えることがあります。春から秋にかけて花期を迎えますが、寒い冬の時期でも花を見つけることができる場合があります。

オニノゲシ（鬼野芥子）の独自性と生態

2月にも花を楽しむことができるオニノゲシ（鬼野芥子）は、キク科ノゲシ属の多年生植物で、元々ヨーロッパが原産ですが、今では世界中どこでも見ることができます。この植物はさまざまな環境に適応しやすく、道端や畑、荒れ地などで成長します。

タンポポに似ていますが、花はやや小さめで、一本の茎に複数の花をつけるのが特徴です。草丈は50cmから100cmほどになり、花の直径は約2cmで、黄色い舌状花で構成され、散った後には白い綿毛が出現します。葉は鋸歯状で、その縁は尖ったトゲとなっています。

オニノゲシ（鬼野芥子）という名前は、似ているノゲシ（野芥子）からきており、葉の縁のトゲが特徴的であることに由来します。ノゲシは、葉を切ると白い乳液が出ることや、ケシに似た形状が特徴ですが、オニノゲシ（鬼野芥子）は別種です。ノゲシと同じように、オニノゲシ（鬼野芥子）にも食用になる部分があり、新芽や若葉、茎、つぼみなどが食べられます。

オニノゲシ（鬼野芥子）の特徴について

オニノゲシ（鬼野芥子）はタンポポに似た見た目の小花を持ちますが、生態や構造においてはまったく異なる特性を持っています。この植物は、かなりの高さまで成長し、太く頑丈な茎を持ち、濃密に葉を茂らせます。

茎の上部では分岐し、そこから直径約2cmの黄色い花が多数咲きます。タンポポが茎の先端に一輪だけ花を付けるのに対し、オニノゲシ（鬼野芥子）は茎に沿って複数の花を支えるのが特徴です。

赤みを帯びた葉を持つタイプのオニノゲシ（鬼野芥子）もあり、その茎は赤く直立しており、多くの枝分かれをし、中は空洞になっています。

荒々しいその外見は、鬼の名前が由来となっていることをうなずかせます。花や蕾も特徴的で、蕾は黒緑色で米俵の形状をしています。

黄色の花は、舌状の花のみで構成された集合花で、多数の小花が一つに集まって咲きます。これらの一見すると小花びらのように見える部分は、実際には一つ一つが独立した花であり、雄花と雌花を備えています。

花期が終わると、総苞はふくらみ、種が成熟すると綿毛のような冠毛が開いて風に乗って運ばれます。タンポポの綿毛ほど大きくはありませんが、似たような機能を持っています。果実の長さは約2.5mmです。

オニノゲシ（鬼野芥子）の葉はタンポポのそれと似ており、長楕円形で羽状の切れ込みが入っています。これらは寒い冬を越すために地面に広がる根出葉として機能します。

茎の中央から上に付く葉は茎を包み込む形で生え、時にはアザミのような棘を持つことがあります。これらの葉は厚みがあり、表面は光沢があります。

ノゲシ（野芥子）とオニノゲシ（鬼野芥子）の見分け方

春が訪れると、道端に咲くノゲシ（野芥子）をよく目にします。このノゲシと似た植物であるオニノゲシ（鬼野芥子）は、明治時代にヨーロッパから日本に導入され、今では国内各地に広がっています。それに対し、ノゲシ（野芥子）は古くから日本に存在し、中国から伝わったとされる植物です。見た目が似ているものの、葉の触感やトゲの形状、さらに茎への付き方で両者を区別できます。

ノゲシ（野芥子）の葉は柔らかく、表面には光沢がないため、トゲがあっても触っても痛くないことが多いです。一方で、オニノゲシ（鬼野芥子）の葉は根元が丸く膨らみ、ノゲシは葉が三角形に茎を包む形状をしています。オニノゲシ（鬼野芥子）はその見た目からも分かる通り、生命力が非常に強く、繁殖力も高いと言われています。

また、ノゲシ（野芥子）とオニノゲシ（鬼野芥子）の特徴を兼ね備えた雑種として「アイノゲシ（合い野芥子）」が存在します。アイノゲシ（合い野芥子）はとげとげしさはありませんが、葉は細かく尖っており、ノゲシ（野芥子）とオニノゲシ（鬼野芥子）の中間的な特徴を持つ植物です。その学名はSonchus oleaceo-aspeと記されています。