春がやってくると、ツツジが鮮やかな色彩で私たちの目を楽しませてくれます。その中でも、赤と白など二つの異なる色で咲く珍しいツツジがあり、まるで歴史の教科書から飛び出してきたような赤白の花を一つの枝で咲かせることがあります。また、白い花びらに赤い線や点が散りばめられていたり、一部がピンクで残りが白というような、はっきりとした色の違いを見せるツツジも存在します。
ツツジの魅力は色の多様性と独特の模様にあり
個性的な斑点やストライプ、さまざまな色の花を咲かせるツツジは、その珍しさから「枝変わり」「咲き分け」と呼ばれることが多いです。斑入りや絞り模様が特徴的な花もあり、これらの特性は植物の遺伝子に関わるトランスポゾンによって引き起こされる可能性があると言われていますが、まだ科学的に証明されていません。
枝変わり現象
「枝変わり」とは、同じ植物の中で特定の枝だけが他と異なる特徴を持つ現象を指します。これは成長点の細胞で起こる突然変異が原因で、この変異が安定していれば新しい品種が生まれる可能性もあります。
咲き分けの美
「咲き分け」とは、一つの植物から異なる色の花が咲く現象、またはそのような植物のことを指します。赤や白の基本色に異なる色が加わる品種がこのカテゴリーに含まれます。
斑入りの魅力
「斑入り」とは、葉や花びら、茎に本来の色とは異なる色が現れることを意味します。日本では特に葉の斑入り品種が多く、植物の美しさを一層引き立てます。
絞り咲きの花
絞り咲きとは、花弁に特有の模様が現れる現象のことで、異なる色が縞模様になって現れるためにこの名前が付けられました。この美しい模様は、伝統的な絞り技術による織物を思わせる魅力があります。
一本で多彩な色を楽しむツツジ
一見すると一本の木のように見えますが、赤、白、ピンクといったさまざまな色のツツジを近くに植えることで、一つの木から多色の花が咲いているように見せることができます。この手法で育てられた三色咲きのツツジは「トリカラー」と呼ばれ、見る人に多彩な色合いの花を楽しませます。二色で咲く場合は「バイカラー」と称されます。
二色に咲くツツジの不思議
通常白い花が咲くツツジでも、時にはピンクの花が枝に数輪咲くことがあります。花の一部がピンクに染まったり、花びらにピンクの線が入ることがあるのです。ピンクのストライプが目を引くツツジや、ピンクと赤紫の花が咲くツツジも見られます。また、ピンクの花の中に白い花が咲くこともあり、これらは見た目には異なる二つの植物のようですが、実際には一つの植物から異なる色の花が咲いていることがあります。このように予期せぬ色の変化はツツジの特別な魅力と言えます。