紫陽花（アジサイ）とアナベルの特徴と違い

「紫陽花（アジサイ）」は、日本の季節に梅雨の時期に美しく咲く、葉を落とす低木で、代表的な花の一つです。

一方、「アナベル」もアジサイの仲間ではありますが、アメリカノリノキという植物が原種で、園芸用に品種改良されたものです。アナベルは大きなてまり状の花を咲かせますが、日本のアジサイに比べて枝が細く、花も小さいため、繊細で柔らかな雰囲気が漂います。

紫陽花（アジサイ）とアナベルの異なる特徴と魅力

6月になると、紫陽花（あじさい）とアナベルが一緒に美しく咲く光景を楽しむことができます。

紫陽花（アジサイ）

紫陽花（アジサイ）とアナベルの両方とも、実際には「装飾花（そうしょくか）」と呼ばれ、雄しべや雌しべは退化しています。見た目が花弁のように見える部分は、実際には萼（がく）の一部です。

アナベル

アナベルは小さな花を密集させて半球状に咲かせます。一般的に紫陽花に比べて葉が薄く、装飾花も小さく、そのためふんわりとした優しい印象を持っています。花の色は白やピンクで、紫陽花よりも色のバリエーションは少ないです。

紫陽花（アジサイ）とアナベルの両方の葉は、尖った楕円形であり、秋から冬になると葉を落とします。

紫陽花（アジサイ）の葉

アナベルの葉

紫陽花（アジサイ）の葉の多くには光沢がありますが、アナベルの葉は光沢がなく、毛が散生しています。また、紫陽花（アジサイ）の葉は比較的薄く、わずかにまるみを帯びています。

さらに、紫陽花（アジサイ）は来年の花を咲かせるためには7月中に剪定する必要がありますが、アナベルは春に伸びた新しい枝に花芽をつける「新枝咲き」の特性があるため、剪定の時期と位置には柔軟性があります。

「紫陽花（アジサイ）」は、日本原産の落葉低木で、古代からの文献にその存在が記録されています。

現在、さまざまな品種のアジサイが存在しますが、元々の種は日本特有の「ガクアジサイ」です。

ガクアジサイ

「ガクアジサイ」は、花の周りを美しく縁取るように配置された萼からなる「ガク咲き」を持ち、中央の中性花を彩っています。周囲の補飾花はがくの一部です。

ガクアジサイの花言葉は「謙虚」です。

「ホンアジサイ」は、ガクアジサイを品種改良して生まれた園芸品種で、通常、「紫陽花（アジサイ）」と言えばホンアジサイを指すことが一般的です。

ホンアジサイ

ホンアジサイは、球状になった萼から花を咲かせる「手まり咲き」を特徴とします。

ホンアジサイの花言葉は「移り気」「浮気」「高慢」です。

「ヤマアジサイ（山紫陽花）」は、古くから日本の山地に自生する野生のアジサイで、沢や水辺にも見られ、「サワアジサイ」とも呼ばれています。

ヤマアジサイ

ヤマアジサイは一般的に小柄で、細い枝と光沢のない葉、小さな花房を持ち、清楚で繊細な印象を与えます。

ヤマアジサイの花言葉は「乙女の愛」「切実な愛」です。

「アナベル」は、アメリカ原産の野生種である「アメリカノリノキ（ワイルドホワイトハイドランジア）」をもとに、園芸用に品種改良された植物です。

別名で「アメリカアジサイ」や「アメリカノリノキ」とも呼ばれています。

アナベルの花期は6月から7月にかけてで、大きな球状の装飾花が特徴です。花序の直径は約20㎝で、大きいものでは30㎝にも達します。通常は白色ですが、最近ではピンク色のアナベルも市場に出ています。

花の色が変化することも特徴の一つで、つぼみの段階では緑色で始まり、徐々に薄緑色に変化し、開花すると白やピンクになります。

ピンク色のアナベルのつぼみの様子は、ライムグリーンのつぼみが少しずつ赤みを帯びています。

ピンク色のアナベルは優雅に咲き、その優しいピンク色は非常に可愛らしいアジサイです。

ピンク色のアナベルの花言葉は「寛容な女性」であり、白色のアナベルの花言葉は「ひたむきな愛」や「辛抱強い愛情」です。