夏に赤い花が咲く木々、サルスベリ、ザクロ、ハイビスカスなど

夏の季節は、厳しい熱波の中でも生命力溢れる赤い花を咲かせる木々があります。これらは、夏の青空の下で特に鮮やかに映え、見る人に元気を与えてくれます。今回は、夏に赤い花を咲かせる木の中から特に注目の種類を紹介しましょう。

夾竹桃（キョウチクトウ）

夾竹桃（キョウチクトウ）は、竹のような葉と桃に似た花が由来の名前を持ちます。赤、ピンク、白、淡い黄色など、夏に次々と咲く鮮やかな花が魅力です。都市部でもよく見かけるこの植物は、暑さ、乾燥、大気汚染に非常に強いのが特徴です。

サルスベリ

サルスベリは、その白く滑らかな樹皮から名付けられました。猿でも滑り落ちるほど滑らかです。赤、ピンク、白、紫の花を夏から秋にかけて咲かせ、その枝を広げながら豊富に花をつける様子が美しいです。

これらの木々は夏の厳しい環境をものともせず、美しい赤い花を咲かせて私たちに喜びを提供してくれます。

凌霄花（ノウゼンカズラ）

凌霄花（ノウゼンカズラ）はつる性の植物で、伸びる茎がラティスや壁に絡みつきながら成長します。夏には、赤やオレンジ、黄色といった鮮やかなラッパ形の花を下向きに咲かせ、短命ながらも次から次へと花を開き、夏の風景を彩ります。成長力が強く、丈夫であるため、適した支持物があれば壁一面を美しく飾ることが可能です。

煙の木（スモークツリー）

名前の通り、花が終わった後に現れるふわふわとした花穂が遠くから見ると煙のように見えることが特徴です。初夏には密に小さな花が咲き、花後には花柄が伸びて細かな毛が密集します。花穂は赤、ピンク、赤紫、白、緑など色の変化が楽しめ、「リトルルビー」のような小型の品種もあり、庭木としても親しまれています。

海紅豆（アメリカデイゴ）

「カイコウズ」の名を持ち、海を越えて来た赤い豆のような花を夏から秋にかけて咲かせるアメリカデイゴ。その蝶のような形の花は7～8cmにもなり、花後にはインゲン豆のようなサヤをつけます。大きく広がる樹冠が特徴で、遠くからもその鮮やかな赤い花が目を引きます。

珊瑚刺桐（サンゴシトウ）

珊瑚刺桐はデイゴ属の落葉中高木で、アメリカデイゴとヘルバケアを交配して作られた園芸品種です。この木の特徴は、剣のように尖った濃い赤色の花と、菱形に近い形状の葉です。夏から秋にかけて、目を引く赤い花を長期間楽しむことができます。

山丹花（サンタンカ）

山丹花（サンタンカ）はアカネ科の常緑低木で、沖縄を代表する三大名花の一つです。枝の先に小さな星形の花が房状に密集して咲く様子が特徴的で、赤、白、ピンク、黄、オレンジといった豊富な色彩を誇ります。光沢がある濃い緑色の葉との対比が、南国特有の魅力的な雰囲気を醸し出します。

ザクロ

ザクロはザクロ科に属する落葉性の小高木で、初夏には椿を彷彿とさせる筒形の6弁の花を開花させます。花の色は鮮やかな鮮紅色をはじめ、白や黄色、絞り咲きや八重咲きの品種も存在します。秋には美味しい食用果実が実り、種子を包む透明で淡い紅色の外皮は、その酸味と甘みで知られています。

ハイビスカス

ハイビスカスはアオイ科に属し、南国の象徴として親しまれています。熱帯から亜熱帯地域にかけて幅広く栽培され、5000種以上の品種があると言われています。その花は漏斗形で先端が5つに分かれ、中心からは多くの雄しべが伸びます。赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫と多様な色があり、花の咲き方にも下向きや上向き、垂れ下がるなど多彩な形が存在します。オールドタイプ、コーラルタイプ、ハワイアンタイプに大別される品種群は、その多様性に富んでいます。

ブーゲンビレア

ブーゲンビレアは、イカダカズラやココノエカズラとも称され、オシロイバナ科に属する半つる性植物です。熱帯地域で広く愛されるこの植物は、日本でも5月から10月にかけて花を咲かせ、暖かい地域では冬にも開花します。花に見えるのは実は色鮮やかな苞葉で、本当の花は中心の小さな白い部分にあります。苞葉は赤、ピンク、黄、オレンジ、白、紫、複色など様々で、形も多種多様です。

ムクゲ（木槿）

ムクゲ（木槿）はアオイ科フヨウ属の落葉性低木で、夏には一日花として知られる鮮やかな花をたくさん咲かせます。ハイビスカスに似た形の花は、5枚の花弁が重なり合い、雄しべが筒形になっているのが特徴です。赤、白、ピンク、紫など、豊富な色の花が楽しめ、その耐寒性により広い地域で親しまれています。

ネムノキ（合歓木）

ネムノキ（合歓木）はマメ科ネムノキ属の落葉高木で、細い糸を束ねたような繊細な花を夏に咲かせます。淡紅色の花は枝先に集まり、夜になると葉が閉じて下がる就眠運動をします。この特徴が「眠る木」という名前の由来で、自然の中だけでなく庭木としても人気があります。