「三寒四温」という表現は、寒さが3日間続き、その後に暖かな日が4日間続く天候のパターンを指します。このフレーズは特に春の始まりに頻繁に使われます。
秋の9月や10月にも寒暖の日が交互に来ることがあり、「三寒四温が繰り返される間に冬が訪れる」と表現されることもありますが、本来は「三寒四温が繰り返される間に春が訪れる」というのが正しい使い方とされています。
この記事では、「三寒四温」の
・気象庁による正式な定義
・天気予報における使用時の意味と適用時期(現在の正しい使い方)
・なぜ「三寒四温」という現象が生じるのか
について詳しく解説します。
気象庁による「三寒四温」の解説と定義
「三寒四温」とは、冬の期間に3日間寒い日が続いた後、4日間暖かい日が続くという気象現象を表します。この現象は中国北部や朝鮮半島などで特によく見られるものです。
中国北部と朝鮮半島での特有な気象現象:三寒四温とは?
「三寒四温」という言葉は、本来中国北部や朝鮮半島の冬季において、シベリア高気圧の影響で生じる寒気の周期的な変化を指しています。この地域では、北極近くで形成された寒気がシベリア地域に蓄積し、約7日ごとに放出されることで、この現象が発生します。
北京や平壌といったアジア大陸の地域はシベリア高気圧の影響をダイレクトに受けるため、三寒四温の現象が頻繁に観察されます。これに対して、日本は日本海と太平洋に面し、シベリア高気圧だけでなく、さまざまな気象要因によって天気が変化します。そのため、日本での天気予報は非常に難しいとされています。
Wikipediaによれば、日本で「三寒四温」のパターンが完全に当てはまる天気は年に一度あるかないかとのことですが、早春にはこの現象が観測されることがあります。
三寒四温が見られる時期とその特徴について
気象庁の定義によると、「三寒四温」はもともと冬の気象現象とされています。しかし、日本では2月から3月にかけて三寒四温のような天気がしばしば見られます。
天気予報やニュースでは、主に2月から3月上旬にかけてこの言葉を用います。気象予報士によっては2月中だけ、または3月上旬までこの表現を使用する場合があります。放送局によっても使用の仕方に違いがあり、時には4月に入ってもこの表現が使われることがあります。
東京の気象データで見る「三寒四温」
過去5年間の東京での最高気温データを分析した結果、「3日間の寒さに続いて4日間の暖かさ」という明確なパターンは確認されませんでした。ただし、3月には寒暖の変化が頻繁に観察される傾向があります。一方で2月の気温の変動はそれほど明確ではなく、年によっては月の早い段階か終わり頃に現れることがあります。4月に入ると暖かい日が増え、「三寒四温」のパターンからは外れがちです。
日本における2~3月の三寒四温の発生原因
日本で2月から3月にかけて三寒四温が見られる主な理由は、春の移動性高気圧と低気圧が交互に日本を通過することです。春が近づくと、これらの気圧系統が日本上空を交代で通過します。
早春に日本を通過する低気圧は、太平洋高気圧からの暖かい風をもたらし、気温が上昇します。しかし、低気圧が去ると、北のシベリア高気圧から冷たい空気が流れ込み、気温が下がることになります。このように寒い日と暖かい日が交互に現れるのが「三寒四温」の特徴です。
まとめ
「三寒四温」は本来、冬の気象現象であり、多くは外国で観察されるものです。しかし、現在では日本の気候に合わせ、冬から春への移り変わりの時期である2月から3月上旬にこの言葉を使うようになっています。また、9月から10月の秋に暖かい日と寒い日が交互にやってくる時期も「三寒四温」と称されることがありますが、本来は春の到来を示す現象です。