春にある公園の一角が鮮やかなピンクの花々でいっぱいになっていました。
その花は芝桜によく似ていて、少し背が高いのが特徴です。花の咲く時期も芝桜と同じなので、見た目が似ていることから一見では見分けがつかないかもしれません。
茎を触ると少し粘り気があることがわかり、花の萼部分が袋のように膨らんでいるのが特徴です。
その後、近くの園芸店で見かけたのが「シレネ」という名前の花でした。
シレネには多くの種類があり、それぞれ独自の特徴を持っています。
春を彩る、芝桜に似たピンク色のシレネとは何か?
シレネは、地中海沿岸やヨーロッパ原産のナデシコ科に属する植物です。
様々な品種があり、一年草から多年草、低木など形態も多岐にわたります。
開花時期は5月から6月。
科・属名:ナデシコ科/マンテマ属(シレネ属)
春に彩られる華やかなシレネの魅力とその多様性
シレネ・ペンデュラ・フクロナデシコ
春の訪れと共に、芝桜を思わせる鮮やかなピンク色の花を咲かせるシレネ。
種類としては、シレネ・セリーナやシレネ・カロリニアナ(市場ではシレネ・ピンクパンサーやシレネ・スパニッシュフラメンコとしても知られる)、シレネ・ピンクピルエット、シレネ・ペンデュラ(サクラマンテマやフクロナデシコとも)などがあります。
シレネ・カロリニアナ
シレネ・ピンクパンサー
シレネ・ユニフローラ
これらのシレネは、それぞれに独特の特徴を持っていて、見分けるのが少々難しいです。
シレネという名前にはいくつかの由来があります。ひとつはギリシャ語で「唾液」を意味する「Sialon」、もうひとつは酔っ払った「Silenes」の姿に関連していると言われています。粘着性の液体や袋状の萼に由来するとも考えられています。
シレネの花言葉には、「偽りの愛」「未練」「しつこさ」「罠」「誘惑」などがあり、これは虫を粘液で捕らえる性質に由来すると言われています。
春の光景を彩る芝桜の魅力
春が来ると、地面を覆い尽くすように咲く「芝桜(シバザクラ)」が美しい花の絨毯を作り出します。一般的にはハナツメクサとも呼ばれています。
この植物は北アメリカ原産で、地面を這うように広がって育つ多年草です。
開花時期は4月から5月にかけて。
学名:Phlox subulata
地面を覆う特性を活かしてグランドカバーとしても使われる芝桜は、「臆病な心」「一致」「合意」といった花言葉を持っています。花の色はピンクだけでなく、薄紫、赤、白などのバリエーションがあります。
葉や茎の形状は、シレネとは異なり、披針形の小さな葉が密集しているのが特徴です。
芝桜とシレネ、それぞれの花の魅力を比較
手に取った芝桜とシレネを並べて見てみると、それぞれの花の特徴が明らかになります。
芝桜の花
シレネの花
上には優雅な芝桜、下には魅力的なシレネの写真を比較してみました。
シレネの愛らしい特徴
シレネの花は、はっきりとハート形をした花弁が特徴で、可愛らしさが際立っています。
花弁は5枚で、それぞれが青みを帯びた花粉を持つ5本の雄しべを有しています。
横から見ると、特にガクが目立つ構造が印象的です。
葉は、倒卵形から長円形にまで変化する形状をしています。
花が終わった後には、ちょうちんのようにガクが袋状に膨らむことがあり、種が自然に落ちて増えるため、育てやすい植物です。
シレネは、その色合いの愛らしさで、見る人を笑顔にさせる魅力があります。