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春に紅葉 赤く色づく野村もみじの魅力

植物

カエデやモミジの葉と聞くと、多くの方は秋にその美しい赤色が目に浮かぶかもしれません。しかし、実は春にも赤い葉を見せるもみじがあります。特に新緑が美しい季節に赤くなる「野村もみじ」は、私たちの身近な庭や公園でよく見かけることができます。

春に赤く輝く野村もみじ

春の緑豊かな中で際立つ赤い葉をもつ「野村紅葉」。4月中旬にはこの野村もみじといろはもみじが、彼ら独特の美しさを展示してくれます。

春に紅葉するモミジの葉の理由

春の紅葉は新芽の時期に現れ、秋の紅葉とは異なる原因があるように思われがちです。しかし、春に見られる葉の赤い色も、秋の紅葉と同じくアントシアニンという色素によるものです。これは葉緑素が少ない状態を示しています。秋以外でも葉が赤くなるのは、葉を保護するためと考えられています。新芽が柔らかく虫の被害にあいやすいため、葉緑素を少なくして防御するという戦略です。さらに、赤色素が紫外線や寒さから葉を守るとも言われています。【参考】日本自然保護協会

野村紅葉の特徴と魅力

野村紅葉(ノムラモミジ)は、春から秋にかけてその美しい赤い葉を楽しませてくれる、庭木として古くから親しまれている紅葉の一種です。江戸時代からその美しさが認められ、野村楓や武蔵野といった別名も持つこの植物は、ムクロジ科カエデ属のオオモミジ系に分類され、一部ではイロハモミジの一種として見なされることもあります。

この紅葉は年間を通じて赤みを帯びた葉を保ちつつ、季節ごとに微妙に色合いが変化します。夏には濃い緑色を呈し、秋には一層鮮やかな赤に変わるのが特徴です。また、木によって葉色にバリエーションがあるのも魅力の一つです。4月から5月にかけては、新緑の中に深紅の花が咲き、見る者を楽しませます。その名前は、葉の深紫色が由来で、「野村」という名前はこの色を表す当て字から来ています。

春には赤茶色の葉が展開し、7から8つに深く裂けた手のひらのような形をしており、細かなギザギザが葉の縁を飾ります。この期間には、新緑の中で深紅色の小花が垂れ下がる姿が美しいです。

花は小さく、直径約5mmで、花弁と萼はそれぞれ5枚。雄花と両性花が混在し、8本の雄しべと1本の雌しべを持ちます。両性花からはプロペラのような形の実が成り、風に乗って遠くへ飛んでいきます。

若い枝は暗紫色をしており、時間が経つにつれて灰褐色へと変化します。この美しい紅葉木は、日本が原産で、樹高は3~8メートルにもなります。春の4月から5月にかけて花を咲かせ、学名はAcer palmatum var. sanguineum、ムクロジ科カエデ属に属しています。

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春を彩る野村紅葉と伊呂波紅葉の美しさ

春の散歩道で出会える「野村紅葉」と「伊呂波紅葉」は、それぞれが持つ特有の魅力で私たちの目を楽しませてくれます。特にイロハモミジは、秋の風景を鮮やかに彩る代表的な樹木で、一般的に「もみじ」と言えばこの種が思い浮かぶことが多いでしょう。

野村もみじとイロハモミジでは、葉の形や大きさに違いがあり、伊呂波枫の葉は比較的小さめが特徴です。

イロハモミジの魅力

イロハモミジは、日本の本州中部から西、四国、九州に自生するムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹です。この樹木は、「イロハカエデ」「高尾カエデ」「小葉モミジ」とも称され、春には鮮やかな新緑が目を引き、11月から12月には黄褐色から鮮やかな赤色に紅葉し、見る者を魅了します。名前の由来は、葉の切れ込みが「いろはにほへと」の順番で並べられることからつけられました。

葉は手のひらのように5から9まで深く裂け、春の新緑の時期には花も咲きます。花が終わると、特徴的なプロペラのような実が成ります。

【伊呂波紅葉の基本情報】
学名:Acer palmatum
科名・属名:ムクロジ科・カエデ属
別名:イロハカエデ、高尾楓、小葉紅葉
原産地:東アジア
開花期:4月~5月
樹高:5~10メートル

春に紅葉するモミジの品種

「手向山(タムケヤマ)」は紅枝垂れの美しい枫で、春には紅色の新芽が、夏には紫がかった緑色に、秋には再び鮮やかな赤に色づきます。葉は羽状で深いギザギザが特徴です。

「青崖(セイガイ)」は春に明るい赤色の新芽が特徴で、夏には黄色から緑色へと変化し、秋には赤褐色に紅葉します。

「出猩々(デショウジョウ)」は春の鮮やかな赤の新芽が魅力で、夏は緑葉、秋には赤から赤褐色に紅葉します。葉は小さく、深く裂けています。

「五月紅(サツキベニ)」は春の新緑の中で葉の先端だけが赤くなる特徴があり、夏は緑葉、秋には濃い赤橙色や赤黄色に色づきます。

「奥州紅(オウシュウベニ)」は新芽が鮮やかな赤茶色で、夏には紫がかった暗緑色へと変わり、秋には赤〜赤茶色、橙色に色づくもみじです。葉は深く裂け、葉先に鋸歯が集中しています。

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