松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)は、細くて松葉のような形状の葉が特徴の植物で、どちらも地面に沿って成長する性質があります。
松葉菊(マツバキク)はツルナ科に属し、光沢のある菊のような花を咲かせます。これらの花の花びらは細長く、独特の美しさがあります。
一方で、松葉牡丹(マツバボタン)はスベリヒユ科に分類され、牡丹に似たふわふわとした大きな花びらを持つ花を咲かせます。
松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)の花の特徴
松葉菊(マツバキク)
花色:ピンク、赤、黄色、白、紫、オレンジ
特徴:花径4~6cm、細長い花びら、朝に開いて夕方に閉じる
松葉牡丹(マツバボタン)
花色:白、赤、ピンク、黄色など
特徴:花径3~6cm、5弁の一日花、八重咲きの種もあり
松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)の葉の特徴
松葉菊(マツバキク)
松葉牡丹(マツバボタン)
松葉菊(マツバギク):南アフリカからの多肉植物
松葉菊(マツバギク)は、南アフリカ出身のハナミズナ科(旧ツルナ科)に属する多肉植物で、日本には明治初期に持ち込まれました。地面を覆うように広がる成長形態が特徴で、よくグランドカバー植物やロックガーデンに利用されます。
市場では様々な交配種が見られますが、特に濃い桃色の花を咲かせる「レイコウ(麗晃)」という品種が人気です。この品種は寒さに強い常緑多年草です。
花のように見える部分は実際には仮雄蕊(かゆうずい)で、機能を失った雄しべが変化したものです。中央部には多数の雄しべがあり、雌しべは1つだけです。
植物の形状としては、茎は基部で分岐しクッション状の群生を作ります。葉は多肉質で棒状の断面がやや三角形です。花後には、五角形の朔果(さくか)という果実が成ります。
冬になると、成長した松葉菊(マツバギク)の茎は木質化が顕著になります。
松葉牡丹(マツバボタン):鮮やかな南アメリカ原産の植物
松葉牡丹(マツバボタン)は、南アメリカ原産のスベリヒユ科・ポーチュラカ属に属する一年草です。もとは多年草ですが、日本では寒さに弱いため一年草として扱われています。江戸時代の終わりに日本に伝わり、ツメキリソウやヒデリソウとも呼ばれています。
この植物は一日花ですが、6月から9月にかけて次々とカラフルな花を咲かせます。八重咲きの種類が特に人気があります。
花は黄色い葯を持つ多数の雄しべと、5から9に分かれてカールする雌しべが特徴で、花びらのように見えます。雄しべは軽い触れに反応して動くため、「花糸の屈曲運動」という現象を引き起こします。これは昆虫に花粉が付着しやすくする機能です。
葉は多肉質で松葉のような形をしており、茎の先で風車のように輪生します。花が終わった後はキャップ状の蓋果ができ、非常に細かい種が自然に広がりやすくなります。