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初春に咲く、日本の春を彩る桜の品種:ソメイヨシノよりも早く花開くサクラ

植物

日本の春は、さまざまな種類の桜によって色づけられます。これらの中には早く咲く「早咲き桜」と呼ばれる品種もあり、通常は1月から3月中旬に見頃を迎えます。

これら早咲き桜は、バラ科サクラ属に属する落葉性の木で、日本に自生する桜の約80%がソメイヨシノです。変種や改良品種を含めると、600種以上の桜が存在します。

寒さにも強い、春の訪れを告げるカンザクラ

カンザクラ
学名:Prunus kanzakura
開花時期:1月~2月
花の特徴:単一花弁、淡い紅色、中輪のサイズ

カンザクラは、カンヒザクラ(寒緋桜)とヤマザクラ(山桜)、あるいはオオシマザクラ(大島桜)の雑種と考えられています。地域によっては「ガンジツザクラ(元日桜)」とも呼ばれます。

特に静岡県熱海市ではよく見られ、地域名を冠した「アタミザクラ(熱海桜)」として知られています。この桜はインド原産のカンザクラの一種で、学名はPrunus kanzakura ‘atami zakura’です。

早春を彩る鮮やかな緋寒桜の美

緋寒桜
学名:Prunus campanulata
開花期間:1月~3月
花の特徴:単弁、深い紫紅色、中輪

この桜は中国南部や台湾、沖縄などに自生する原種で、特徴的な釣り鐘形の花とその鮮やかな紫紅色が特長です。花弁が散るのではなく、花首ごと落ちることがこの種の特徴です。

沖縄では「サクラ」として広く知られ、学校や公園、並木道などに植えられています。「ヒカンザクラ(緋寒桜)」とも呼ばれるが、「ヒガンザクラ(彼岸桜)」との混同を避けるために「カンヒザクラ(寒緋桜)」とも称されます。色合いは主に赤紫で、時に白や淡い色の花も見られます。

春の初めを彩るカワヅザクラの魅力

カワヅザクラ
学名:Cerasus × kanzakura ‘Kawazu-zakura’
開花期間:3月上旬~下旬
花の特徴:単弁、淡い紅紫色、大輪

カワヅザクラは、カンヒザクラとオオシマザクラの交配種で、伊豆半島が原産地です。特に静岡県河津市の名所で知られるこの桜は、約3cmの大きさの花を咲かせ、淡いピンクや紅色を呈します。花序は散房状で4~5花が集まり、約1ヶ月にわたる開花期間で長く楽しめます。樹皮は紫褐色で光沢があり美しいです。

海の豊かさを象徴する桜、タイリョウザクラの魅力

タイリョウザクラ
学名:Cerasus × kanzakura ‘Tairyō-zakura’
開花期間:3月初旬頃
花の特徴:単弁、淡い紅色、中輪

タイリョウザクラは、オオシマザクラとカンザクラの交配から生まれたオリジナルの品種です。この桜は角田春彦氏によって作出され、原木は静岡県熱海市の網代漁業組合の網干場にあります。

桜鯛の色を思わせる花色と、1~2枚の特徴的な旗弁を持つ小花が混在するのが特徴です。花は優しいピンク色で、やや下向きに咲くことが特徴です。

英国発祥の和風桜、オカメザクラの美しさ

オカメザクラ
学名:Prunus incamp ‘okame’
開花時期:2月下旬~3月中旬
花の特徴:単弁、淡紅色、小輪

イギリスの桜研究家イングラム氏によって作出されたこの品種は、カンヒザクラとマメザクラの交配から生まれました。名前は日本の伝統的な女性像「おかめ(阿亀)」にちなんでいます。

花は小さく、紫がかった濃いピンク色が特徴で、花弁は平開せずに下向きに咲きます。この桜は小型で、成長しても樹高は約3m程度に留まり、コンパクトな成長を見せます。

春の訪れを告げる壮大な大寒桜:オオカンザクラ

オオカンザクラ
学名:Cerasus × kanzakura ‘Ō-kanzakura’
開花時期:3月下旬
花の特徴:単弁、淡い紅色、中輪

オオカンザクラは、カンヒザクラ(寒緋桜)とオオシマザクラ(大島桜)の交雑種とされる栽培品種です。ソメイヨシノよりも少し早く咲き、カンザクラよりも大きな花が特徴です。埼玉県川口市安行地区で広がったことから「アンギョウカンザクラ」とも呼ばれています。

花弁は淡紅色で丸く大きく、先端には細かな切れ込みがあります。特に、やや下向きに咲き、完全には開かないという点が特徴です。

春分の頃に咲く、愛らしい小彼岸桜:コヒガンザクラ

コヒガンザクラ
学名:Prunus×subhirtella cv. Subhirtella
開花時期:3月中旬~3月下旬
花の特徴:単弁、淡い紅色、小輪

エドヒガン(江戸彼岸)とマメザクラ(豆桜)の交配種で、お彼岸頃に開花します。エドヒガンよりも小さい花の大きさが名前の由来で、「ヒガンザクラ(彼岸桜)」とも呼ばれています。

この桜は早咲きで小さな花が特徴で、細く分枝しやすい枝により、株立ち状に成長します。落葉低木から小高木(約5m程度)で、豊富な花付きがあり、庭木としても人気です。花は直径2~3cmで、枝に密に咲き、小さいため、公園や庭園で観賞用によく植えられています。

春の到来を彩る美しい桜、コマツオトメ

コマツオトメ
学名:Cerasus spachiana ‘Komatsu-otome’
開花時期:3月下旬~4月上旬
特徴:ソメイヨシノよりもやや早い開花
花の特徴:単弁、淡い紅色、中輪

コマツオトメはエドヒガン(江戸彼岸)とオオシマザクラ(大島桜)の交配種とされています。原木は上野恩賜公園内にあり、小松宮彰人親王の銅像近くで見られます。その美しさと愛らしさからこの名が付けられました。名前の由来は西田尚道氏がつけたものです。

花色は淡い紅白色で、5枚の花弁を持つ一重咲きです。ソメイヨシノに似ていますが、より小ぶりで、紅色が際立っています。ソメイヨシノの代替品種としても注目されている桜です。

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